古書とカマキリ

「私まだ四葉のクローバーを見つけたことがない」と

子どもが言った。

その子がしゃがんですぐ

一緒に探していた大人たちを尻目に

「見つけた!」と嬉しそう。

 

その子が

カマキリの赤ん坊を手に乗せていた。

 半分は透明なその生命を

見落とさず

 

大切そうに手に乗せている。

 

目を凝らさないと見えないモノ。

知ろうとしなければ通り過ぎてしまうものが沢山ある。

 

まちのことなど色々やっていて

教わったことを思い出す。

「樹が立っているのも

 歴史を紐解くと

 何故その樹がそこに立っているのかが見えてくる」

 

シミのある古書のページをめくり

古地図を重ねるように目の前のまちを見つめてみる。