どこまでいくのかわからない

気球に乗ってどこまでいくのかわからない
気球に乗ってどこまでいくのかわからない

 

「段カットにしてくだい」

そういったら

襟足まで髪の毛が段々畑のようになっていた。

 

それは「段」には違いなかったが

結果、松ぼっくりの実に似た髪型となる。

 

しかも髪を金に染めているので

まるでクリスマスのオーナメントのようになっている。

 

そして黒いサングラスなどかけ

鼻の頭まで汗をかいて

高い高いかかとの靴を鳴らし

電車に乗らず

自分の行きたい街まで

どこまでも歩いていく人だった。

 

そんな思い出を残していった。

可愛い人がいた。