ぬりかべは立っている

そこにぬりかべは立っている。

 

呑み終わった後でも

「ぬりかべ焼酎」の瓶は捨てられず

時折そこに牛乳を流し込んでみたり

紅茶を入れてみたりして

背景色を変えて眺めてみる。

 

 

 

前へ前へと進もうとしても

はたまた

よけて通ろうとしても

どこまでも壁にさえぎられて進めない。

宵闇に突如として出現する壁。

(下を棒ではたくと通れる)

 

 

 

我が家の棚の上に

ちょこんと立っている。