メガネさんはいつも片手に傘を抱いている。
そうして何かに集中しているときのメガネさんは
段々傾きが激しくなって、椅子から転げ落ちそうになるから心配だ。
メガネなどは最初から鼻にやっとひっかかっているくらいだ。
メガネさんは鏡を見ないので
寝癖の髪の毛がパンクバンドのメンバーように立っていて
それにときどき、頬に深く眠った跡を残している。
ゆっくりとした速度でメガネさんは生きている。
この速度を奪うことがないように
傍にいるとき
わたしも呼吸をゆっくりと深くする。
*断片メモ@メガネさん描きかけスケッチ