17日 4月 2016 その人が居た場所 義理の父は 静かな人だった。 よく居間で 小さな椅子に腰掛けて 最期の方は居眠りすることが多くなっていた。 元々口数も少なく 自分から語ることよりも 周囲の話すのを聞いて 静かに笑っている人だった。 今日は四十九日の法要で 家族だけが集まり 線香がたかれた。 お勝手に立つと 居間の方から家族の会話する声が聴こえる。 なんとなく話の輪のちょっと外側に まだ父がいて 笑っている気配がした。 残された者は それぞれが その気配を感じつつも 少しずつ その人の不在を 受け容れていく。 tagPlaceholderカテゴリ: 雑記帖, 2016年4月