ツチノコこえー
子どもの頃
思った。
世界の不思議・怪奇な出来事を扱った
児童向けの本を見ては
まだ見ぬ大蛇や
鼻から煙のように立ち昇るエクトプラズムに恐怖し
手の平から十字架の形の血を流している女の子の写真に
「どうしよう」と落ち着かない気持ちになったものだった。
そんなことを思い出したのも
今日
「不思議な雑誌」という不思議すぎる雑誌を目にしたからだ。
昭和38年に創刊されたこの雑誌には
髑髏の下に「特価100円」とあり
巻頭の写真には
懐かしい妖精写真や
もくもくとテントの中の人から
まるでへその緒のようにつながって湧き上がる
霊魂の物質化というキャプションのついた写真が掲載されている。
霊魂の物質化されたモノは
何故かエキゾチックだ。
そして
「信じようと
信じまいと!」とという
コラムタイトルがまた魅惑を高めている。
「あなたもミイラをつくれる!」というページもあり
何でもありであり
片付けを進めなくてはいけないのに
そこに釘付けにされてしまった。
クロウリーやパラケルススとは違う
澁澤龍彦とも違う
それはツチノコ怖いの感覚を思い出させてくれた。