06日 2月 2016 月の歩幅 記憶の重たさに 声を閉じてしまった 一人の女の人は 小さな紙切れに 言葉を書きつらね わたしは隣で 生まれてくる文字に目を凝らしている。 話す言葉だとしたならば かなりの文字数になるのだろうけれど 紙切れは手のひらに収まる小ささなので 凝縮された気持ちがこぼれるようだ。 彼女には行きたい場所がある。 「一緒にゆきましょうか」と言う問いかけに 彼女は初めてNOという。 よしゃっ と心で言う。 歩幅 速度 呼吸 背筋が伸びる。 tagPlaceholderカテゴリ: 雑記帖, 2016年2月