2015→2016 さすらい姉妹「ぢべたすれすれバッタもん」@山谷

年末間近に知りビトが自死したりと、疲労困憊ぐったりなのに

どこか師走の忙しなさに心此処にあらずの焦燥感に見舞われた2015の暮れのこと。

山谷ドヤ街の人々の群れの中に

世話になった人たちの顔あり、新しくつなげてもらった出会いもあった。

 

2015年の年末もまた、 山谷の十字路で「さすらい姉妹」を観劇。

怒涛の1年の〆として、感慨深い夕となった。

 

橙色の街灯の光りに段ボールの舞台装置。地べたに座る隣りにゆらめく火。

今年も冒頭で立ち現れる玉さん。

先日、湯の番をした際に

玉さんが口にした台詞は、これであったかとしみじみ見入る。

 

「いよっ玉さんっ」

 

やいのやいのの観客の掛け声と

時折舞台の真ん中を通り抜けていく人さえも

幕の一部となりにけり。

 

「通れねーだろ」と怒鳴る人あれば

「静かに通れねーのかバカヤロー」の応戦もあり

路上演劇の真骨頂。

 

地獄の釜にも負けぬよな巨きな釜に湯を沸かし、掛け声と共に蕎麦を湯がいて

半切れずつの海老天にざくざくの青葱をぽんぽん箸で配分した後

一斉に喰う。

 

儚いような街灯の明かりの下、しっかと足を地べたにおろす感覚あり。

怒涛の「乾杯」と相成る。ビンボー万歳。

 

黙って死ぬな!と山谷は呼びかける。

悪い気など祓うような熱を持っている。

 

そうなのだ。

黙って死ぬな、生きるのだ。

のだのだのだのだ

そうなのだ。

 

今年もまた

多くの人たちに世話になり

関わり

しでかし

世を渡る。

 

よろしくお願い申し上げます。

 

□水族館劇場

http://www.suizokukangekijou.com/

 

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さすらい姉妹 寄せ場路上巡業2015→2016 「ぢべたすれすれバッタもん」

戯作 桃山邑 工作 毛利嘉孝

いなくなったと思わないでね  撤去されても戻ってきちゃうの

(出演者)

千代次  風兄宇内  増田千珠 石井理加  臼井星絢 七ツ森左門

髙橋明歩 チェン・スウリー 秋浜立 さすらい社中

音曲 マディ山﨑 操音 松林彩 記録 長瀬千雅 図案 近藤ちはる

協力 山谷争議団 あうん 新宿連絡会 寿日雇労働者組合 

   寿支援者交流会  渋谷のじれん 山谷労働者福祉会館