山谷玉三郎の風呂番

今日

偶然に玉さんに会えた。


わたしが風呂番をすることになった。


それは光栄なことだった。


熱めの湯をはる

私はただ待っている。


湯上り

「さすらい姉妹」か

台詞が口を突いて出た。


それはしみじみと

沁みてくるようであり

演じているというよりも

その人の言葉そのもののように伝わってきた。


一幕


表にはテツという犬が

すっかり大きくなって悠々と散歩をしている。

ネコが歩く。

日は暮れていく。