明け方

通勤ラッシュが苦手だ

 

人との距離が近すぎるためだろうかなんだろうか

思考が迷走を極め

パニックに陥る

 

経験を身体が覚えていて

同じような場面に置かれると

冷やりと心臓が苦しくなる

 

なので

朝がまだ明けないうち自宅を出て

日の出を駅で迎え

電車の中では混沌として眠る

 

街燈がまだ消えない

明け方の路を歩いていく

 

贅沢なオマケがつくとしたら

時折

朝焼けを見ることだ

 

野はばら色の地平に燃え

夜の帳が陽に溶けていく